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◎【奈良で初詣】2023年は卯年。“卯”のご利益にあやかる初詣スポット

2023年は「卯」年です。卯の方位は東、刻は午前5時~7時。“日が昇る”方角と時刻であることから、卯は「物事のスタート」「周期の始まり」を意味すると言われています。そんな「ウサギ」を巡る奈良の初詣スポットを紹介します。

卯年の守護本尊は文殊菩薩です。新薬師寺や興福寺などの有名な十二神将では「摩虎羅(マコラ)大将」が卯年の守護神を司ります。

 

上や前に跳ねる、日が昇る、スタート…といった具合に、やる気・その気にさせてくれるウサギですが、一方で、居眠りをしてカメに競走で負けたり、和邇(ワニ=サメ)を欺いて海を渡り切る直前に自らの失言でウソがばれて皮をはがれたり(因幡の白兎)、おっちょこちょいで軽薄な面も持ち合わせているようです。

 

 

【石上神宮 瓦うさぎ(天理市)】

 

 

石上神宮のご祭神は卯の日に鎮座されました。

 

日本最古の神社のひとつとされる石上神宮。境内にニワトリが放し飼いにされていて、干支でいえば「酉」に関係するのだろう…とお思いの方、多いのではないでしょうか。
ところが、石上神宮で「神の使い」とされるのは、実は「うさぎ」なのです。

 

石上神宮の主祭神は「布都御魂大神(ふつのみたまのおおかみ)」「布留御魂大神(ふるのみたまのおおかみ)」「布都斯魂大神(ふつしみたまのおおかみ)」の3神です。

 

このうち、布都御魂大神は神武天皇ゆかりの神剣に宿る御霊威を称えて指す大神で、元は宮中に祀られていましたが、第10代崇神天皇7年に布留御魂大神とともに、石上布留高庭(いそのかみふるのたかにわ)にお遷ししてお祀りされました。これが石上神宮の始まりで、その日は「卯の日」(十二支の4番目に巡ってくる日)だったというのです。

 

屋根の瓦にうさぎが乗っている例は珍しく、石上神宮では社務所の屋根の正面、左右端に乗せられています。耳をピンと立て、ほほ笑んでいるかのような口元とまなざし。丸っこい体つきに愛嬌が感じられます。

 

石上神宮では、2023年の卯年にあわせて、瓦うさぎを模した置物の授与品がお目見えする予定です。

 

所在地やMAPなど詳細情報はコチラです。

 

 

【安倍文殊院 渡海文殊群像と干支花絵(桜井市)】

 

 

 

快慶作! 国宝・渡海文殊群像

 

国宝・渡海文殊群像(とかいもんじゅぐんぞう)は、獅子に乗る文殊菩薩が、向かって左の維摩居士(最勝老人)と須菩提(仏陀波利三蔵)、向かって右の手綱を持つ優填王と先導役を務める善財童子の4人の脇士を伴う群像です。

 

文殊菩薩は右手に「降魔の利剣(ごうまのりけん)」、左手に慈悲・慈愛を象徴する蓮華(ハスの花)を持っています。胎内の墨書銘から鎌倉時代初期の建仁三年(1203年)に、快慶によってつくられたことが判明しています。獅子を含む総高は約7mで、騎獅像としては日本最大です。

 

干支を花の株でかたどって描く花絵は毎年恒例。今年もパンジー約8000株を使って、2匹のウサギが登場しました。2匹が振り向いて、お互いに見つめ合う愛らしい姿は、安倍晴明が天文観測をしたと伝わる高台に設けられた展望台から眺望することができます。

 

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【興福寺 東金堂 木造文殊菩薩坐像・木造十二神将立像(奈良市)】

 

 

卯年守護本尊の文殊菩薩と薬師如来護衛の十二神将

 

世界遺産・興福寺の五重塔となりに立つ東金堂(国宝)。聖武天皇の発願で創建されました。

 

東金堂のご本尊薬師如来坐像を守護する木造十二神将立像のうち、「摩虎羅(マコラ)大将」が卯の守護神です。この十二神将はいずれも鎌倉時代の彫刻で、国宝に指定されています。

 

また、ご本尊に向かって右側に木造文殊菩薩坐像(鎌倉時代/国宝)が安置されています。文殊菩薩は智恵を象徴する菩薩で、興福寺でも古くから学問僧の祈願仏として信仰されてきました。

 

木造文殊菩薩坐像と木造十二神将立像は、いずれも常時公開されています(東金堂拝観料が必要です)。

 

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【新薬師寺 十二神将(奈良市)】

 

 

 

円陣を組んで薬師如来を守る十二神将

 

光明皇后が夫である聖武天皇の病気平癒を願って天平19年(747年)に創建された古刹。

 

奈良時代作のご本尊・薬師如来坐像(国宝)を護衛する円陣を成しているのが十二神将立像です。十二神将のうち、左手を腰に当て、右手に斧を持つ摩虎羅大将(奈良時代8世紀/国宝)が卯年の守護神です。

像高が約166㎝あり、新薬師寺の十二神将立像では最長身です。

 

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【般若寺 本尊八字文殊菩薩像(奈良市)】

 

 

花のお寺の文殊菩薩

 

後醍醐天皇の御願仏として鎌倉時代に造られました。仏師康俊と康成の作で、重要文化財。元々は秘仏でしたが、現本堂の再建と同時に御開帳され、拝観することができます。

 

※花の時期は拝観料の変動あり

 

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【橿原神宮 ウサギの巨大絵馬(橿原市)】

 

 

前へ、上へ、勢いよく駆けだすうさぎ

 

橿原神宮の外拝殿前に干支を描いた恒例の巨大な絵馬が登場しました。

2023年の主役は「うさぎ」。原画は橿原市在住の日本画家・藤本静宏さんが描きました。

 

絵馬は、高さ4.5m、幅5.4mあり、なんと畳14枚分だそう。「開運」の下に輝く太陽を背に、力強く飛び出してくるうさぎが描かれ、躍動感満点です。困難にあっても屈せずに切りひらくんだという強い意思が込められた目にも注目してください。

 

愛らしい表情や仕草、サイズ感とは裏腹に、威勢よく駆けたり跳ねたりすることができる。うさぎのそんなパワーにあやかりに、初詣に参りましょう。
※橿原神宮では1月1日~3日、境内で一方通行の規制が行われます。

 

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