奈良が「発祥の地」とされるもののひとつに、相撲があります。なんでも、『日本書記』の垂仁天皇7年7月7日の条に、「當麻郷には當麻蹶速(たいまのけはや)という勇敢剛力がいて、天下に敵なしと豪語していたところ、天皇が力くらべをさせようと、出雲の野見宿禰(のみのすくね)が召され、両人に力くらべをさせた。すぐさま蹶速は腰の骨を折られて死んだ。蹶速の領地が没収され宿禰に賜った」などと記されているのです。これが天覧で行われた日本で最初の相撲(力くらべ)だと言われています。
天覧相撲が開催された地にある神社や両人ゆかりのスポット、さらには相撲の楽しむための体験施設やグルメを紹介します。
【相撲神社】
ズバリ!な名称の相撲神社。その名の通り、野見宿禰と當麻蹶速が日本で最初の相撲を取ったとされる神社。境内に土俵跡が残り、四隅には柱の代わりにヒノキが植えられています。土俵跡に立ち入ることができるので、古代の力士気分を味わえます。
【十二柱神社】
12の神様をご祭神とします。日本最初の展覧相撲で當麻蹶速に勝った野見宿禰の五輪塔や顕彰碑が境内にあります。ここでは鳥居の脇にいる2匹の狛犬の足元に注目。それぞれ4人の力士がどっしりと狛犬の台座を支えています。総勢8人の力士はそれぞれ異なる体勢を取っているのも見逃せません。
【腰折田伝承地】
国道168号の良福寺交差点を少し西へ入ったところに、相撲発祥の伝承地があります。野見宿禰と當麻蹶速が日本最初の相撲を取ったとされる相撲神社境内とは別の、もう一つの相撲発祥地です。伝承の根拠は、當麻蹶速は野見宿禰に腰の骨を折られたことから(『日本書紀』)、腰折田の地名があり、さらに江戸時代の地誌『大和志』に「腰折田は良福寺にあり」とみえることから、当地が伝承地と言われるようになりました。力士像と二上山、由来の説明看板などがあります。
〒639-0236 奈良県香芝市磯壁6丁目316-1
周辺自由
【葛城市相撲館「けはや座」】
當麻蹶速を顕彰するために開館した、相撲の資料館。相撲にまつわる各種資料や歴代横綱の手形などが展示されているほか、本場所と同サイズの土俵があります。この土俵には女性も上がることができ、まわしを締めて土俵入りし(着衣のまま可)、力士気分で塩をまいたり、記念撮影をしたり、相撲を身近に体験することができます。また、相撲甚句が聴けるイベントも定期開催しています。
【朗紀本舗 當麻どっこいまんじゅう】
近鉄当麻寺駅すぐにあるお店。お土産にすると喜ばれる、相撲発祥のご当地名物が、その名も「どっこいまんじゅう」。季節にあった産地・品種のサツマイモを複数ブレンドし、米粉や生クリームを練りこんで回転焼き風に仕上げた“和風スイートポテト”です。冷凍保存も可能。サツマイモの風味を存分に味わえる「プレーン」、小豆入り、渋皮くり入り、クリームチーズ入りの4種類が定番で、季節のどっこいまんじゅうもあります。どれもずっしり、食べごたえ満点です。
〒639-0276 奈良県葛城市當麻54-2
0745-48-7588
10:30~16:00(売り切れ次第閉店)
月曜・火曜休
お店のホームページはコチラ
【相撲茶屋 ちゃんこ好の里】
地元香芝町(現香芝市)出身の元力士・好の里(よしのさと)が井筒部屋直伝のダシで仕込んだちゃんこ鍋を振る舞います。選べるダシ、具満タン、栄養満タンなちゃんこ鍋は、横綱ちゃんこ、大関ちゃんこ、好の里ちゃんこの3種類。味もボリュームも、力士がうらやましくなります。
相撲茶屋 ちゃんこ好の里の詳細はコチラ
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