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◎奈良の冬名物・若草山焼き~打ち上げ大花火もドッカン〔2021年は規模縮小・花火中止〕

若草山の山焼きは冬の奈良観光のメインイベントと言っていいでしょう。花火が盛大に打ち上がり、続いて、若草山一面に点火され、炎が赤々と燃え広がります。
火のぬくもりを感じられるほど近くでも、山焼きの全容を静かに見られる中遠距離からでも、冬の古都で繰り広げられるスペクタクルを楽しむことができます。

緑が広がり、鹿がたわむれ、人がくつろぐ、奈良の代表的風景・若草山。いつものんびりと物静かな表情で慕われる若草山ですが、毎年1月の第4土曜は打ち上げ花火と山焼きが盛大に行われます。

 

市民や観光客が待ちわびる18:15ごろ、若草山から花火がどんどんどどんと約600発も打ち上がり、冬の夜空にカラフルな大輪が咲きます。その後、山に炎が点火され、赤々と山肌を覆っていきます。

 

古都の冬の夜空を焦がす山焼きの概要とビューポイントを紹介します。

 

 

祈りの行事

山焼きは、春日大社、東大寺、興福寺の神仏が習合し、鎮魂・慰霊・防災・平和を祈る行事です。点火に使われる炎は、当日午後に飛火野で行われる「春日の大とんど」からもらい受ける御神火。午後5時すぎから聖火行列によって若草山へと運ばれ、松明からかがり火に点火されます。

 

 

真冬の打ち上げ大花火にワクワク

18:15、いよいよ奈良礼讃大花火の打ち上げ開始です。山麓周辺は混雑しますが、空気を振るわせる音と夜空に咲く花火の大迫力を体感できます。ひときわ大きな花火は奈良県内の花火イベントではここが唯一といわれる「尺玉花火」です。景気よく“どっかん”とこだまします。

 

山麓の特設ステージでは昼すぎから、鹿せんべい飛ばし大会や点火・消火を担当する奈良市消防団の出発式が行われたり、あったかいグルメの出店があったり、場所取りを意識しながらも退屈せずに打ち上げ花火までの時間を過ごせます。

 

 

若草山がゆっくりじわじわと燃え上がる

 

18:30ごろ、花火が落ち着くと、ほら貝、ラッパ、号砲が鳴り響きます。これが点火の合図です。山肌をなめるようにじわじわと炎の面積が広がり、夜の空間に浮かび上がる若草山。焦らず、ゆっくり、じっくりと燃え動く火を見ていると、古来、人々が火に何を感じ、祈ってきたのかという精神性を想像してしまいます。

 

おすすめビューポイント

◇若草山・山麓

火のはぜる音や熱まで感じることができる“かぶりつき”です。

 

◇奈良公園

東大寺前の交差点から近い浮雲園地やその北側の春日野園地も近望エリアです。

若草山焼きは遠望するのもおすすめ。観光客も訪れやすいポイントは2つあります。

 

◇平城宮跡(近鉄大和西大寺駅から徒歩約15分)

視界をさえぎる建造物等が少ないうえ、エリアが広いので、混雑を気にすることなく山焼き観賞に集中できます。強風日は防寒対策を念入りに。

 

◇大池(近鉄西ノ京駅から徒歩約12分)

大池西畔から薬師寺の金堂、東塔・西塔越しに山焼きが望めます。望遠レンズを使った、絶好の撮影スポットです。

※若草山焼きの観光写真には若草山一面を覆う炎と大輪の打ち上げ花火が同時に見られるかのような写真(長時間露光撮影)が使用されていますが、実際には花火と山焼きが同時に見えることはありません。

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