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◎奈良県景観資産紹介シリーズ 第6回

奈良県にはぜひ見てほしい景観がたくさんあります。それらを“資産”として活用するとともに、たくさんの方々に足を運んで見てもらい、後世に残していこうと景観資産の登録を開始しました。実際に見てみたい、おすすめのスポットをシリーズで紹介していきます。

竜田川唯一の渓流地「馬鍬淵」

 

【平群町椣原】

一部コンクリートで護岸されているものの、渓流が走る迫力と爽快さを体感できるスポット。新緑、紅葉の季節は特に見ごたえがあります。馬鍬とそれを引いていた牛が川の瀬に流され、二度と浮かんでこなかったという伝承があり、河童が棲んでいるとか、いないとか。

 

 

シオカラ吊橋(東ノ川上流のシオカラ谷)

 

【上北山村小橡】

大台ケ原のシオカラ谷に架かる吊り橋。東大台の散策コースにあり、秘境の自然美を味わえる景観です。こんな奥山の吊り橋をいつだれが何の目的で必要としたのかと想像を巡らせるのも一興。紅葉は10月中旬ごろから始まります。

 

 

岡田の谷の半夏生園

 

【御杖村神末】

夏に涼を運んできてくれる半夏生(ハンゲショウ)。夏至から11日目の半夏生の頃に、普段は緑一色の葉っぱの一部が化粧をしたように白くなります。ここほど規模が大きい半夏生の群生は珍しく、可憐で涼しげな景観を眺めに多くの人々が訪れます。7月上旬~下旬が見頃です。

 

 

稗田の環濠集落

 

【大和郡山市稗田町】

集落を取り囲む環濠は集落の自衛と水利整備のために中世争乱期に造成されたといわれています。環濠の内側に立つ大和棟の家々と同時に眺めることができ、独特の景観をつくっています。堀の幅は約10m、深さは2~3m。昔の暮らしの工夫を今に伝える景観です。

 

 

猿沢池越しに望む興福寺五重塔と五十二段

 

【奈良市登大路町】

猿沢池を南西のほとりから眺めると、池、52階段、興福寺五重塔が近中遠と折り重なって見えます。これこそ奈良市を印象づける代表的な景観の一つでしょう。通じない恋を嘆いた采女の伝説を秘める猿沢池。多くの観光客が1000年以上ほとんど変わらない風景に足を止めています。

 

 

三社池から望む春日野園地と若草山・春日山

 

【奈良市春日野町】

奈良公園と若草山の風景をみんなと違った視点で楽しみたい―という奈良リピーターにおすすめしたい景観がこちら。東大寺南大門より手前にある三社池越しに眺めると、水面と春日野園地の芝生、薄緑の若草山、濃緑の春日山が見事なコントラストで並んでいます。

 

 

中戸新池から眺める秋の紅葉

 

【葛城市中戸】

この風景、写真奥に連なる金剛・葛城山系がもしも冠雪していると、信州日本アルプスの錦秋かと見間違えるかもしれません。それほど雄大に見える絶景です。秋晴れの日、中戸新池畔の紅葉が水面に写る“鏡絵”を狙って出かけてみませんか。

 

 

高鴨神社境内の宮池と浮舞台で奉納される雅楽と舞

 

【御所市大字鴨神】

全国鴨(加茂、賀茂)社の総本宮である高鴨神社の境内は心身をキリッと引き締めてくれる荘厳な雰囲気。宮池に張り出した浮舞台では5月の献花祭で雅楽や舞が奉納されます。水面に緑や舞い手の衣装が映る様は、耳をすませて眺めていたいシーンです。

 

 

国の名勝に指定されている月ヶ瀬梅渓とその周辺

 

【奈良市月ヶ瀬尾山】

関西屈指の梅花見のスポット。谷を駆け上がるように咲いていく梅と、春を待ちわびる渓谷が感動の景観をつくります。1969年の木津川高山ダム完成によって水没した梅の木も少なくないといわれています。見頃は例年3月中旬頃。目と鼻で堪能する景観です。


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