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奈良の名山を登る 葛城山(大和葛城山)

古代に登場する地名「葛城」を冠にする山。ツツジやススキが広がる絶景を味わえます。ロープウェイに乗って気軽に登れます。

葛城(葛木)の地にしみ込んだ歴史は古く、2代天皇・綏靖(すいぜい)天皇が都を置いた葛城高丘宮にまでさかのぼります。実在したかには諸説ありますが、綏靖天皇(『日本書紀』では「神渟名川耳天皇」と表記)は、初代天皇である神武天皇の第三皇子。次兄と謀って長兄を誅殺し、長兄に向かって矢を射ることができなかった次兄をさしおいて即位したと伝わっています。

 

ヤマト政権初期の豪族・葛城氏が支配していた地域でもあり、また、『万葉集』に「春柳 葛城山に 立つ雲の 立ちても居ても 妹をしぞ思ふ」(柿本人麻呂)とあるように、古代の和歌にもたびたび詠まれました。「葛城」は、我が国の古代の政治と文化に刻まれた古地名だといえるでしょう。

 

その「葛城」を冠にした山が、葛城山(大和葛城山)です。奈良県御所市と大阪府千早赤阪村との境に標高959.2mの山頂があり、日本三百名山に選定されています。北の二上山や南の金剛山に連なり、ダイヤモンドトレール(金剛葛城山系の稜線に沿う約45㎞の縦走路)が延びています。

 

登山道は複数ありますが、この記事で紹介しているのは、御所市の麓から登る「櫛羅(くじら)の滝コース」。登山口から山頂付近までを結ぶ葛城山ロープウェイにほぼ沿ったコースで、その名の通り、途中に櫛羅の滝があります(ほかにも滝あり)。ロープウェイ乗り場の近くに駐車場(有料)があるので、クルマで登山口までアクセスする場合は便利です。

 

山頂一帯は、初夏のツツジ、秋のススキが絶景を作り出し、それぞれのシーズンには多くの登山客・観光客でにぎわいます。宿泊施設やキャンプ場などもあるので、じっくり、ゆったり、滞在を楽しむことができるのも、葛城山の魅力です。
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