奈良の昭和遺産⑤「D51蒸気機関車（天理市）」（昭和17年製造）

地球を約42周分も走ったSL機関車。客車と一緒に鑑賞できます。

蒸気機関車を知らない世代にも、「デゴイチ」「デコイチ」の愛称で親しまれるD51形蒸気機関車。そのうち、D51.691蒸気機関車が天理市・田井庄池公園に保存・展示されています。近鉄天理駅のホームから見ることもできます。

このSL機関車は、昭和17年（1942年）6月製造で、昭和46年（1971年）10月に廃車となったもの。概要を記した説明板によると、現役引退までの総走行距離は167万5219キロメートル（地球を約42周！）にも達したそうです。よく走ってくれました。

もうひとつの注目は、D51の後ろに連結されている「オハ61 930」と呼ばれる客車です。元は、大正時代に造られた木造客車で、それを昭和30年（1955年）に改造したものです。

60系の客車は全国で10両ほどが保存されていますが、「オハ61」を常時見られるのは、全国で田井庄池公園だけ！らしいです。

ここのD51は金網フェンスに囲まれ、近づくことは、できません。しかし、守られているからこそ、保存状態が良好なのだとも言えるでしょう。

黒光りするボディ、歴史を感じさせるプレート、溶接の痕、迫力のある台車など、細部まで鑑賞すれば、こうして保存されていることがありがたく思えてきます。
☆観光スポット