歴史を感じる。季節や風景を写す。おいしさを味わう。いろいろな奈良のおすすめフォトスポットをまとめて紹介します。
旧奈良監獄(監獄ホテル「星のや奈良監獄」)(奈良市)
旧奈良監獄は1908年(明治41年)に竣工し、大正期の「奈良刑務所」から、戦後「奈良少年刑務所」と改称されました。
注目されるのはその建築美で、建設当時に先進的な技術や装飾が取り入れられました。なかでも旧奈良監獄正門は赤レンガを積み上げて造られたロマネスク様式(西ヨーロッパで11世紀~12世紀に建築された教会堂などを特徴づける“ローマ風の”建築様式)で建てられ、晴天でも曇天でも鮮やかに映えます。
多くの建物と同じく赤レンガ造りの塀で囲まれた敷地内で目を引くのは収容棟です。中央の見張所を起点として放射状に収容棟を配置するハビランド・システムと呼ばれる設計が採用されています。
築100年以上を誇る“美と堅”を兼ね備えた刑務所も耐震性の問題などで、2017年(平成29年)3月で廃庁になりました。その直前の2月、国の重要文化財に指定され、2025年度(令和7年度)中に監獄資料館や監獄ホテル「星のや奈良監獄」などを備える複合施設としてリニューアル開業する予定です。
再開業するまで内観を見学することはできませんが、正門は敷地外の公道から見たり、写真に収めたりすることができます。
(写真提供:旧奈良監獄保存活用会社)
【所在地】〒630-8102 奈良県奈良市般若寺町18
【アクセス】
・近鉄奈良駅から徒歩約30分
・般若寺バス停から徒歩約4分
【駐車場】なし
【公式サイト】https://former-nara-prison.com/
奈良御菓子製造所 ocasi(おかし)(奈良市)
2022年の10月にオープンし、水菓子・和菓子・洋菓子の3つのお菓子が重なりあう「奈良御菓子」がコンセプトとなっています。
奈良の三笠山になぞらえて三笠とも呼ばれる「みかさどら焼き」、シルクロードを経て奈良に伝わった絹織物にリスペクトをこめた「シルクチーズケーキ」、それらにあわせる水菓子(果物)とスパイスを使った「ジャム」があり、三つのペアリングの妙が味わえます。
おすすめは、どら焼き・チーズケーキ・ジャムをセットにしたocasiプレートです。ジャムは大和橘の皮と実を使ったジャムと、季節のジャムがあります。
店内の坪庭に植わる大和橘の木の前に机を置きその上に商品をのせて撮るのがおすすめです。
【所在地】〒630-8221 奈良県奈良市元林院町5
【営業時間】11:00~18:00
【休日】火曜
【アクセス】近鉄奈良駅から徒歩約7分
【駐車場】なし
【お問い合わせ】0742-22-7272
【公式サイト】https://ocasi.jp/
興福寺(奈良市)
興福寺の起源は、藤原鎌足の夫人が夫の病気の回復を願い、釈迦三尊像を本尊として669年に現在の京都府京都市山科区に創建された山階寺(やましなでら)です。
壬申の乱のあった672年に、山階寺は藤原京に移り、当時の地名である高市郡厩坂にちなみ、厩坂寺(うまやさかでら)と名付けられました。710年の平城京への遷都に際し、藤原不比等は厩坂寺を平城京左京に移し「興福寺」と改号されました。
以降は火事などの災害が起きたり、明治時代以降、様々な出来事によって荒れたりしましたが、その後は寺僧や、仏や菩薩に教えを受ける縁のある人々の努力で、復興が進み、興福寺の歴史を刻み続けています。
中金堂を正面にして撮るのがおすすめです。
【所在地】〒630-8213 奈良県奈良市登大路町48
【拝観時間】9:00~17:00
【拝観料】公式サイト/拝観情報でご確認ください。https://www.kohfukuji.com/info/info-guide/
【お問い合わせ】0742-22-7755(本坊寺務所)
【アクセス】
・近鉄奈良から徒歩約5分
・県庁前バス停から徒歩約1分
【駐車場】あり(乗用車1000円、大型バス・マイクロバス 3000円)
※駐車可能台数:乗用車46台、大型バス・マイクロバス16台
【お知らせ】
興福寺五重塔は2023年7月から明治時代以来約120年ぶりに大規模な保存修理を行っており、2024年5月の素屋根完成以降は数年間見ることができなくなります。現在、五重塔周辺の一部が通行止めになっています。詳しくは公式サイトをご覧ください。
【公式サイト】https://www.kohfukuji.com/
薬師寺(奈良市)
薬師寺は、680年に藤原京に建てられました。710年、元明天皇の命により藤原京から平城京へと都が移されるのに伴い、薬師寺も現在の地へと移りました。
歴史の中で多くの堂塔が火災や地震で失われていき、特に、享禄元年(1528)の兵火は激しく、金堂、西塔、大講堂などが焼失しました。しかし、そのなかで唯一創建時から現存するのが東塔(国宝)です。
1998年(平成10年)には「古都奈良の文化財」の構成資産の一つとして、世界文化遺産に登録されました。
東塔をはじめ多くの貴重な堂塔を有する薬師寺では、そういった建造物を見上げるように撮るのがおすすめです。
【所在地】〒630-8563 奈良県奈良市西ノ京町457
【拝観時間】8:30~17:00(拝観受付16:30まで)
【拝観料】(2024年1月15日まで)
通常拝観券→大人1100円、中高生700円、小学生300円
共通拝観券→大人1600円、中高生1200円、小学生300円(大人同伴)
障がい者→本人と同伴者1名半額
【アクセス】近鉄西ノ京駅から徒歩約2分
【駐車場】あり(大型車2200円、中型車2000円、普通車500円、バイク100円)
【お問い合わせ】0742-33-6001
【公式サイト】https://yakushiji.or.jp/
浮見堂(奈良市)
浮見堂は、奈良公園・鷺池に浮かぶ八角堂形式(六角形)のお堂で、1916年に建てられました。
鷺池の岸から橋がかけられており、浮見堂まで渡ることができます。水面に写る姿が美しく、市民や観光客にとって水辺の憩いの場となっています。
老朽化により、1991年から3年間かけて修復・再建工事が行われ。現在の姿となりました。
水面に映る姿や浮見堂への渡り橋を入れて撮ったり、桜や百日紅、ネムノキなど季節の花や木々を入れて撮るのがおすすめです。
鹿が浮見堂内にいたり、渡り橋を歩いていたりすることもあり、そんな光景はレアなシャッターチャンスになります。
【所在地】〒630-8301 奈良県奈良市高畑町
【アクセス】
・近鉄奈良駅から徒歩約18分
・春日大社表参道バス停から徒歩約5分
【駐車場】なし
【お問い合わせ】0742-22-0375 (奈良公園事務所)
【お知らせ】
夜間にはライトアップが行われており、幻想的な光景を楽しむことができます。(日没から22:00まで ※年中無休)
【奈良市観光協会サイト】https://narashikanko.or.jp/spot/structure/ukimido/
矢田寺(矢田山金剛山寺/別名アジサイ寺)(大和郡山市)
矢田寺は676年に、天武天皇により十一面観音と吉祥天を祀る寺として創建され、その後、平安時代初期に地蔵菩薩が本尊に加えられました。
日本の地蔵信仰の発祥地のひとつと言われ、多数の文化財を所蔵しています。
梅雨の時候に境内で咲き誇るアジサイが有名で、様々な姿で私たちを救ってくださる地蔵菩薩にちなんで、昭和40年頃からアジサイが植えられてきました。
5月中旬に咲き始めるツルアジサイから、9月頃に咲く中国のアジサイまで、約60種約10,000株のアジサイが植えられています。
アジサイや風景、建造物を様々な角度から撮ったり、アジサイを正面にし、点在する古い石仏などを背景にして撮ったりするのがおすすめです。
【所在地】〒639-1058 奈良県大和郡山市矢田町3506
【拝観時間】8:30~17:00
【拝観料】無料
※6月上旬~7月上旬のみ有料/大人700円、小学生300円
※障害者割引:障害者手帳の提示により、有料期間中も無料(本人のみ)
【アクセス】
・矢田寺前バス停から徒歩約10分
・横山口バス停から徒歩約20分
【駐車場】あり
【お問い合わせ】0743-53-1445
【公式サイト】http://www.yatadera.or.jp/