- 奈良事典
奈良ゆかりの伝統色 2.若草色(わかくさいろ)
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あの山の、若々しくみずみずしい色
奈良の明媚な風光のひとつ、若草山。
初夏を迎える頃、文字通り、山は芽吹きの緑色を発する若草に覆われます。
遠目に鮮やかでみずみずしい若草色は、古来、若い女性にも例えられ、『伊勢物語』には「うら若みねよげに見ゆる若草を人の結ばむことをしぞ思ふ」とあり、若くかわいらしい女性が、誰かほかの人と結ばれると思うと惜しい…と詠んだ歌が書かれています。
若草山の、いわゆる草の丈が短い“芝生”エリアに入るには入山料が必要です。
また、開山期間は、毎年3月第3土曜~12月第2日曜となっています。
入山して、鹿さんと遊んだり、軽登山道を登っていったり、歩き方はいろいろ。一重目からも爽快な展望が開けますが、体力と時間に余裕があるなら、ぜひ三重目(頂上)へ。西側だけでなく、北側も展望できます。
もう一つ、若草山の楽しみ方でおすすめなのは、中遠望です。麓の奈良公園/浮雲園地や春日野園地などから見ると、若草色が、間近で見るよりも鮮明に映ります。
世界遺産・薬師寺の西側にある大池から、薬師寺の東塔・西塔越しに見る若草山や、もっと遠く、例えば、大和郡山市の郡山城天守台、若草山から直線距離で約20㎞離れた王寺町・明神山などから見る若草山も、奈良の風光を象徴する存在感を放っています。
山も、色も、「若草」は奈良のアイデンティティのひとつになっています。