信貴山朝護孫子寺の毘沙門天とムカデ/毘沙門天王秘仏御開扉は7月1日~9日
朝護孫子寺のご本尊毘沙門天王の使いとして、寅(虎)とともに、ムカデがあげられます。漢字で書くと、百足。無数の節足がわらわらと動き、黒と赤の体色も嫌悪感を引き起こします。顎肢に毒を持ち、実際、噛まれると激痛に悲鳴をあげてしまいます。
毘沙門天は武神・戦勝の神とされます。その使いがムカデである理由はどの説も決め手に欠きますが、「ひとつでも歩調が乱れると直進できない」「決して後進(後退)しない」ことなどが信奉され、武田信玄など戦国武将はムカデの図絵を好みました。
また、脚が多いことから、「おあし」(銭)がたくさんついてくるとして金運を呼ぶ、客足・出足が増えて繁盛する―という面でも、ムカデは信仰の対象になりました。
信貴山朝護孫子寺本堂の「毘沙門天王」と書かれた神額や欄間に、巨大なムカデが彫られています。ムカデの形態が苦手な方はご注意を。
朝護孫子寺で普段は秘仏(非公開)の毘沙門天王像が7月1日(土)~7月9日(日)、特別公開されます。